2018年6月28日(木)は、ANAホールディングス株式会社の第73回定時株主総会が行われました。
今年も時間を作って出席してきました。
ANAホールディングスの株主総会終わった。
— てぃーし/城攻め再開 (@tidus_tabilog) 2018年6月28日
SFCに関する質問が出ましたぜ( ・∇・)
こんなツイートをしたので、Twitterで僕をフォローしてくださっている方でどんな質問がされたのか気になった方もいらっしゃるかもしれません。
ですので、今回の株主総会の様子や質疑応答などについてまとめましたので、本稿で紹介いたします。
ちなみに、昨年も株主総会には出席したにもかかわららず記事を公開しておりませんでしたが、サダ (id:sk2sada) さんが記事にしてくださっているのでそちらをご覧頂ければと思います。
報告事項および決議事項
第73回定時株主総会の目的事項は、以下の通りでした。
<報告事項>
- 2018年3月期の事業報告
<決議事項>
- 剰余金処分の件
- 取締役10名選任の件
- 監査役1名選任の件
株主総会でなされた報告事項や決議事項についての詳細は、ANAHDのウェブサイト上で公開されておりますので、そちらに譲りたいと思います。
一言でいうと、前期比で増収増益です。特にPeach Aviationを連結子会社化したことによる影響が大きく、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で45.6%も伸びました。
航空事業(国内線旅客、国際線旅客や貨物)および航空関連事業(サポートなど)については前期よりも上回っていましたが、旅行事業は前期よりも下回っておりました。国内旅行で苦戦を強いられているようです。
また、上記に加えて、2019年春に就航予定のホノルル線A380の事業戦略について、事業会社ANAの平子社長から説明が行われました。
さらに、事前に寄せられていた株主からの質問「パイロットの育成、確保について」の回答がされました。
質疑応答
今回の株主総会ですが、終盤にちょっとざわついたものの、概ね穏やかに議事進行が行われました。
さて、以下に株主から出された質問の概要は以下の通りです。
- A380の整備体制について
- 2020年に向けて国内や海外へのツアープランはあるか?
- MRJの納入遅れによるリスクのリスク管理について
- 2020年に向けて国際線の発着枠が50便増加するが、その発着枠の確保と航路の安全性について
- 伊藤会長が三菱重工の監査等委員を兼任しているのは利益相反じゃないのか?
- ホノルルでの営業プランについて
- 社内業務の改善体制について
- SFCの制度改悪について
- LCCのターミナル(特に那覇)は酷すぎないか?
- リスクマネジメントに関する社員教育について
- 印刷物に空港コードを記載して欲しい
- 客室乗務員の教育に関して
- 個人株主の要望として、お土産を復活して欲しい
- 取締役会のダイバーシティに関してどのように考えているか
- 貨物事業の設備投資や業務改善について
- 動議:配当性向を20%から40%に引きあげろ
この中で、弊ブログをご覧の方が気になるのは、冒頭でも紹介しました
- SFCの制度改悪について
でしょうか?
SFCの制度改悪はやめて欲しい
SFCの制度改悪について質問した株主さんの主張ですが、
- 出張族じゃなく、個人で「修行」をしている人は身銭を切って飛行機に乗っているのであり、制度改悪は非常に厳しい
- JALはJGCのサービス水準の現状維持を担保すると株主総会で明言していた
- SFCも制度改悪しないで欲しい
というものでした。
おそらく、2018年あるいは2019年以降に修行しようとしている方々のためを思ってこのような質問といいますか、要望を出したのだと思われます。
一方でSFC会員が増えすぎという声もあるんですよね…
なかなか複雑な思いです。
さて、こちらの質問に対してですが、経営陣からは「サービスの改悪は考えていない」と回答がされました。
良かったですね、SFCホルダーの皆さん!
利益相反取引について
株主から出た質問の一つに、「伊藤会長が三菱重工の監査等委員を兼任しているのは利益相反じゃないのか?」というものもありました。
これは、MRJの納入遅れに関する関連質問で、要は伊藤会長が兼任しているために三菱側に気後れ、あるいは忖度していて、強く言えないのではないか?といったものでした。
片野坂社長もおっしゃっていましたが、監査等委員ですので業務執行を行う立場にはなく、利益相反には当たらないわけです。
もし、伊藤会長が三菱航空機の代表取締役だった場合には話は変わりますけどね。
動議:配当性向を20%から40%に引きあげろ
最後に、株主から動議が出されました。
第72回の株主総会で片野坂社長が言った「配当性向の引き上げ」と「長期保有株主に対する株主優待の優遇」が全くなされていない。経営陣ばかりがいい思いをするのではなく、利益を株主に還元しろ!配当性向を20%から40%に引きあげろ!
というものでした。
配当性向の引き上げ云々は、今回の株主総会の議案とは関係のないものとのことで、動議とはなりえませんでした。
もっとも、今回の剰余金の処分に関する金額の合理性に関しては片野坂社長からきちっとした説明があり、僕自身としては納得のいくものでした。
もちろんこの主張をされた株主さんの言い分も理解できます。やっぱり配当金を1円でも多くもらいたいですからね。
質問したかったこと
僕も質問したいことがあったのですが、機会に恵まれませんでした。
僕が質問したかったのは内容ですが、
2018-2022年の中期経営戦略に記載されている5つのコア事業の売上高の推移に関して、4つの事業のは業績が拡大しているものの、国内線旅客事業が縮小しているのはどういった根拠に基づくものなのか?
ということです。
グラフには2018年比で「約100%」って記載されているのですが、よーく見ると減収なんですよね。
これは人口減少によって国内線の利用が減ると見ているのでしょうか?
あるいは国内線は他の提携航空会社に任せて国際線旅客事業に力を注いでいくのでしょうか?(国際線旅客事業は2018年比で150%に増えています。)
誤解のないように補足しておきますが、減収自体が悪いと言っているわけではなくて、合理的な説明がなされるかどうかが気になっただけです。
展示会と旅行説明会
株主総会が終了したあとは、隣の会場にて展示会と旅行説明会が行われました。
展示会では、A380の模型や、A380のビジネスクラスの座席の体験会などが催されました。
最後に
今回も参加して良かったなと思いました。
仕事柄、株主総会には非常に縁がありまして、他社の株主総会に参加することは非常に勉強になります。ましてや、ANAホールディングスのように大きな会社の株主総会となると色々な株主の皆さまが出席されるので、その対応なども勉強になります。
質問にありました、「おみやげを復活して欲しい」という要望ですが、個人的には反対です。
そんなものにお金を使うぐらいなら配当金でもらいたいですからね。
直近の株価は不調ですが、今後もANAホールディングスは継続保有しようと思っています。(含み益も余裕でありますしね)
それではー!
最後までご覧頂きありがとうございました。
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